ソリューション・技術情報

2025.06.25

  • その他

高品質な制御盤の製作するポイント

工場やプラント、ビル設備などで、機械や装置を思い通りに動かすために欠かせないのが制御盤です。

「動けばいい」という一時的な視点だけで制御盤製作を進めてしまうと、稼働後の予期せぬトラブル発生、故障箇所特定に費やす膨大な時間、そして結果的に高額な修繕費用や生産停止による機会損失など、目に見えないところで大きなコストが発生する可能性も少なくありません。

このコラムでは、高品質な制御盤製作を実現するためのポイントについて詳しく解説していきます。

制御盤の製作におけるポイント

制御盤の製作は大きく分けて「安全性」「視認性・メンテナンス性」「拡張性」に注意が必要です。下記にてその具体的なポイントをご紹介いたします。

1 . 安全性を高めるために最適な電線選定と絶縁処理を行う

①電流・電圧、使用環境に応じた電線を選定する

電流の大きさ、印加電圧、そして設置環境に考慮し、適切な電線を選定します。例えば、モーターのような大きな電流が流れる回路には太い電線を、制御信号のような微弱な信号には細い電線を、というように適材適所の選択が必要です。不適切な電線は、過電流による異常発熱や、最悪の場合の断線、そして機器の寿命短縮に直結します。

②絶縁処理と短絡防止を徹底する

当然のことではありますが、最適な電線選定を行っても、電線やその接続部の絶縁処理を適切に行っていないと、漏電や短絡(ショート)による火災、感電事故、そして接続機器の破損といった問題が発生します。ただ電線被覆の剥き方一つにもノウハウがあり、銅線がむき出しになったり、隣接する端子と接触したりしないよう、正確に作業を進めることが重要です。

2. 「メンテナンス性」と「視認性」の向上

制御盤は一度設置したら終わりではなく、稼働後の定期的な点検、老朽化した部品の交換、あるいは機能追加やシステム拡張といった作業が必要です。その際に、作業効率を大きく左右するのが配線の視認性メンテナンス性です。視認性とメンテナンス性の向上には2点の押さえるべきポイントがあります。

①電線の種類や接続を明確化する

まず束線バンドや配線ダクト、スパイラルチューブなどの活用、カラーコード(色分け)を用いて電線の種類を明確化することが挙げられます。これにより、どこにどの線が繋がっているか一目で把握でき、トラブル発生時の原因特定や、改造時の作業時間を大幅に短縮できます。

また、 各電線には、事前に作成された回路図と完全に連動した端子番号を明確に表示します。さらに、各部品や端子台にも分かりやすい銘板を取り付けることで、誰が見ても理解できるようにすることが重要です。これにより、熟練の技術者でなくとも、一定の知識があればスムーズにメンテナンス作業を進めることが可能になります。

②最適なケーブル長さに調整する

ケーブルの長さにも注意が必要です。必要以上に長いケーブルは盤内でかさばり、放熱を妨げたり、断線の原因となります。逆に短すぎるケーブルは、接続時に無理な力が加わり、端子からの脱落や内部断線を引き起こしかねません。最適な長さに調整し、電線の種類ごとに規定された最小曲げ半径を守ることで、耐久性と作業性を両立させます。

3. 「拡張性」を考慮することで、将来的な機能拡張や改修に対応する

システムは、導入後も生産性の向上や機能追加、法改正への対応など、変化に合わせた機能拡張や改修が求められることが少なくありません。将来を見越した配線設計は、後々の改修コストを大幅に抑えることにつながります。これには以下2点を押さえる必要があります。

①将来的な増設が見込まれる場合は配線スペースを確保する

将来的に追加される可能性のあるモジュールや機器のために、あらかじめ制御盤内に十分な配線スペースを確保しておきます。また、将来使用する可能性のある配線については、事前に配線だけを準備しておく「予備配線」を施すこともあります。

②機能をユニットごとにまとめモジュール化する

機能をユニットごとにまとめ、それぞれを独立した配線ブロックとして扱うことで、部分的な交換や増設が容易になります。これにより、システム全体を停止させることなく、必要な箇所のみの改修が可能となり、ダウンタイムを最小限に抑えることができます。

制御盤に関するお困りごとはサイテックにお任せください!

サイテックでは、制御盤製作の豊富な実績がございます。また、電気回路設計から制御工事事、電源工事まで幅広く工事を行っております。制御盤に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。

>>お問い合わせはこちら