2025.05.22
- 設備保全・補修
キュービクルの撤去はどのようにすれば良いのか?
キュービクルは、「電力会社から供給される高圧電力を施設で使いやすい低圧電力に変換し、分配するための設備」で、ビルや工場などの電力供給の拠点として運用されます。キュービクル本体の耐用年数は、一般的に20年程度とされております。使用状況やメンテナンス状況によって、耐用年数は変動する可能性がありますが、老朽化が進んだ場合、生産ラインの停止や事故につながる可能性があります。そのため、キュービクルの耐用年数を把握し、適切な更新がすることが必要です。そして、その更新の際には「キュービクルの撤去」が必要になります。高圧電気設備のご担当者様の中には、
「キュービクルが不要になったけど、どうすればいいんだろう?」
「古くなったキュービクルを撤去したいけど、費用や手続きがよく分からない…」
といった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、そんなキュービクルの撤去について詳しく解説します。
キュービクル撤去までの全体の流れ
キュービクルの撤去は、一般的に以下の流れで進められます。
ステップ1:業者選定と見積もり依頼
複数の専門業者から見積もりを取得し、比較検討します。業者選びのポイントについては後述しますが、実績、資格、見積もりの透明性、担当者の対応などを総合的に判断することが重要です。現地調査を依頼し、正確な見積もりを出してもらうことをお勧めします。
ステップ3:電力会社への連絡と申請手続き
キュービクルは電力会社の設備と接続されているため、撤去工事を行う前に必ず電力会社へ連絡し、必要な手続きを確認します。工事の日程、撤去方法、電力の遮断・再開などについて、電力会社の指示に従って手続きを進めます。場合によっては、経済産業省への届け出が必要となることもあります。
ステップ4:撤去工事の実施
高圧ケーブルの取り外し、機器の解体、搬出などキュービクルの撤去工事を行います。この作業には専門的な作業が必要となります。
ステップ5:廃棄物処理
撤去によって発生した金属、絶縁材、油などの廃棄物は、法令に基づき適切に処理する必要があります。産業廃棄物処理の許可を持つ業者に依頼し、マニフェスト(産業廃棄物管理票)を確認するなど、適正な処理が行われているかを確認しましょう。
キュービクル撤去の際の注意点
キュービクルの撤去を安全かつスムーズに進めるためには、以下の点に特に注意が必要です。
①安全性の確保
キュービクルは高電圧を扱う設備であり、撤去作業には常に感電や火災のリスクが伴います。信頼できる専門業者に依頼し、安全対策を徹底してもらうことが最も重要です。
②法令・規制の遵守
キュービクルの撤去には、電気事業法、廃棄物処理法など、様々な法令や規制が関わってきます。電力会社や自治体への確認を怠ると、法令違反となる可能性があります。業者に手続きを代行してもらう場合でも、内容をしっかりと理解しておくことが大切です。
③騒音・振動対策
撤去工事では、重機の使用や解体作業に伴い、騒音や振動が発生する可能性があります。事前に周辺住民や事業所に工事日程や内容を伝え、理解と協力を得るように努めましょう。必要に応じて、防音シートの設置や作業時間の調整などの対策を検討します。
④PCB含有の可能性
古いキュービクルには、PCBが含まれている可能性があります。高濃度PCBは既に処分期限が終了しておりますが、低濃度PCBは2027年3月までに廃棄することが義務付けられております。PCBは人体に有害な物質であり、PCB含有が確認された場合は、法令に基づいた適切な処理を行う必要があります。
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