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2025.10.06

  • 設備保全・補修

キュービクルの保守点検・メンテナンスのポイント

工場や商業施設など、大量の電力を安定的に使用することが必要な施設には、キュービクル(高圧受電設備)が設置されています。
キュービクルは、電力会社から供給される高圧電力を受け入れ、工場などで使用できる低圧に変換し、安全に供給するための重要な設備です。

このキュービクルは設置したら終わりではなく、電気事業法に基づく定期点検が義務付けられている設備です。特に工場では、突発的な停電や機械停止は生産に直結するため、日常的な保守点検や長期的なメンテナンス計画が欠かせません。

本記事では、キュービクルの保守点検内容と、現場担当者の方が押さえておくべきポイントについて解説します。

キュービクルの保守点検・メンテナンス内容

キュービクルの点検は、電気事業法に基づき、「月次点検」と「年次点検」が定められています。

点検内容は以下の通りです。

①月次点検(外観・日常点検)

・外観確認(錆・腐食・塗装剥がれ)

・計器類の指示値確認(電圧・電流・電力量)

・ファンや換気設備の動作確認

・油入機器の油漏れ有無の確認

・異音・異臭の有無確認

・汚れ、粉塵の清掃

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②年次点検(停電を伴う精密点検)

・絶縁抵抗測定

・保護継電器試験(OCR・DGRなど)

・遮断器(VCB)の動作確認

・トランスの絶縁油試験(油入式の場合)

・ボルト類の締付確認

・接地抵抗測定

③定期的な部品交換(目安)

・真空遮断器(VCB):15年程度

・避雷器(LA):10〜15年程度

・絶縁油(油入トランス):数年ごとに劣化診断

・コンデンサ:8〜10年程度

上記はあくまで一般的な目安であり、実際には使用環境・負荷状況・メーカー推奨基準に応じて交換計画を立てる必要があります。可欠です。

キュービクルの保守点検・メンテナンスのポイント

ポイント①:法定点検の遵守

キュービクルは電気事業法で定められた保安規定に基づき、電気主任技術者による点検が必要です。点検を怠った場合、法令違反や重大事故につながるリスクがあります。

ポイント②:更新・交換時期を見極める

点検で異常が見られなくても、15〜20年を目安に主要機器を更新することが推奨されています。特にVCBや変圧器は長期使用による絶縁劣化が進み、突発停電の原因となるため注意が必要です。

ポイント③:部品供給が終了している場合は、一式の更新も検討する

古いキュービクルでは、メーカーが部品供給を終了しているケースがあります。故障時に修理できず、工場稼働を長期停止せざるを得ないリスクがあるため、早めの更新計画が重要です。

ポイント④:工場稼働への影響を最小限に抑える

年次点検は停電を伴うため、休日や夜間工事で実施するのが一般的です。生産ラインへの影響を最小限に抑えるため、工事計画を早めに立てることが求められます。

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