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2026.09.24

  • 設備保全・補修

キュービクルの新設・増設|必要になるケースと工事の流れ・確認ポイント

工場や事業所で新しい設備を導入したり、生産ラインを増設したりすると、電力使用量の増加に伴ってキュービクルの新設・増設が必要になることがあります。

ただし、設備を増やすからといって、必ずしもキュービクル本体を追加する必要があるとは限りません。既存の変圧器に容量の余裕があれば、配線やブレーカーの増設だけで対応できる場合もあります。

重要なのは、現在の受電容量、追加設備の負荷、既存設備との同時稼働、将来の設備計画を確認し、適切な方法を選ぶことです。本記事では、キュービクルの新設・増設が必要になるケースと、工事前に確認したいポイント、施工の流れを解説します。

キュービクルとは

キュービクルとは、電力会社から受電した高圧電力を、工場や事業所で使用できる電圧に変換して各設備へ供給する高圧受変電設備です。

金属製の筐体内部には、変圧器、PAS、VCB、保護継電器、進相コンデンサ、ブレーカー、計器類、母線・配線などが収められています。

高圧受電設備の構造や主要機器については、下記の記事で詳しく解説しています。

キュービクルの基本構造と主要機器の役割

キュービクルの新設・増設が必要になるケース

キュービクルの新設は、新工場や新棟の建設、低圧受電から高圧受電への切り替えなど、新たに高圧電力を受電する場合に検討します。

一方、既存施設では、次のような設備投資に伴ってキュービクルの増設が必要になることがあります。

・大型の生産設備を導入する
・生産ラインを増設する
・空調設備やコンプレッサーを追加する
・ロボットや自動化設備を導入する
・EV充電設備や発電設備を設置する
・工場や倉庫を増築する
・既存の変圧器容量では不足する

設備増設時には、新しく導入する機械の定格容量だけでなく、既存設備と同時に運転したときの最大負荷も確認します。モーターやコンプレッサーなど、始動時に大きな電流が流れる設備については、始動電流も考慮しなければなりません。

設備増設・移設時の電源工事については、下記の記事もご覧ください。

設備増設・移設時に確認したい電源工事のポイント

キュービクルを増設する前に確認したい4つのポイント

1.既存の変圧器容量に余裕があるか

最初に確認するのが、現在の変圧器容量と実際の使用電力です。

容量に余裕があれば、キュービクルを増設せずに既存設備を活用できる場合があります。容量が不足する場合は、変圧器の容量アップ、変圧器の追加、キュービクル本体の増設などを検討します。

2.ブレーカーや配線が追加負荷に対応できるか

変圧器容量に余裕があっても、主幹ブレーカー、幹線、分岐回路が追加設備に対応できなければ、そのまま接続することはできません。

ブレーカー容量、配線の許容電流、分電盤・動力盤の空き回路、設備までの配線ルート、電圧降下などを確認します。

3.設置スペースと搬入経路を確保できるか

キュービクルの新設・増設では、本体を置く場所に加えて、点検や機器交換に必要な作業スペースも確保します。

屋外へ設置する場合は、キュービクルの重量や設置環境に合わせた基礎工事が必要です。また、クレーン車の進入・作業スペース、搬入経路、高圧ケーブルの敷設ルートも確認します。

4.将来の設備計画を反映できているか

現在導入する設備だけで容量を決めると、数年後に再び増設工事が必要になる可能性があります。

今後予定している生産ライン、空調設備、自動化設備なども含めて検討し、過大になりすぎない範囲で拡張性を持たせることが重要です。

キュービクルの新設・増設工事の流れ

一般的なキュービクル新設・増設工事は、次のように進めます。

1.現地調査・電力使用状況の確認

既存の契約電力、変圧器容量、設備の稼働状況、追加設備の仕様、設置場所、配線・搬入経路などを確認します。

2.容量計算・設備設計

現在と将来の電力需要を整理し、変圧器容量、保護機器、ブレーカー、高圧ケーブルなどの仕様を決定します。

3.電力会社との協議・必要な申請

受電方法や引込方法について電力会社と協議します。工事内容や設置条件に応じて、関係機関への申請・届出、電気主任技術者や保安規程に関する手続きも確認します。

4.キュービクル製作・基礎工事

設計内容に基づいてキュービクルを発注・製作します。その間に、基礎、配管、ケーブルルートなどを施工します。キュービクルや関連機器は納期を要する場合があるため、受電希望日から逆算した計画が必要です。

5.搬入・据付・配線工事

キュービクルを搬入して基礎上へ据え付け、高圧ケーブルや低圧幹線、接地線などを接続します。既存設備と接続する増設工事では、停電時間をできるだけ抑えられるように切り替え手順を事前に決めます。

6.試験・受電

絶縁抵抗測定、耐圧試験、保護継電器試験、接地抵抗測定、動作確認などを行い、安全性を確認したうえで受電します。

既存キュービクルを活用できる場合もあります

古いキュービクルでも、必ずしも一式交換が必要とは限りません。

筐体や母線を継続使用できる場合は、変圧器、VCB、保護継電器、進相コンデンサなど、劣化した内部機器だけを更新できることがあります。油入変圧器では、絶縁油を採取・分析し、PCBの有無や劣化状態を確認したうえで、絶縁油交換による継続使用を検討する方法もあります。

既存設備の状態と追加容量を確認し、「既設活用」「内部機器更新」「変圧器増設」「キュービクル増設」「全面更新」から適切な方法を選ぶことが、過剰な設備投資を防ぐポイントです。

キュービクルの改修・更新サービス

トランスの絶縁油交換・延命について

キュービクルの新設・増設はサイテックにご相談ください

サイテックでは、工場や事業所の設備状況と今後の設備計画を確認し、受電容量の調査からキュービクルの新設・増設、変圧器や内部機器の更新、配線工事まで対応しています。

「設備を増やしたいが、現在の容量で足りるか分からない」「キュービクルを増設すべきか判断してほしい」「既存設備を活用して費用を抑えたい」といった場合も、まずはご相談ください。

キュービクルに関する施工事例

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キュービクルの新設・増設に関するよくある質問

Q.設備を1台増やすだけでも容量確認は必要ですか

設備の種類や容量によっては必要です。変圧器容量だけでなく、同時稼働時の負荷、始動電流、ブレーカー、配線なども確認します。

Q.変圧器に空き容量があれば増設は不要ですか

既存の変圧器、ブレーカー、配線に十分な余裕があれば、キュービクルを増設せずに対応できる場合があります。現地調査と負荷計算による確認が必要です。

Q.キュービクルの新設・増設にはどのくらいの期間がかかりますか

設備容量、電力会社との協議、申請、キュービクルの製作納期、基礎工事などによって異なります。受電希望日が決まっている場合は、できるだけ早い段階から計画を進めることが重要です。

Q.工場を稼働させたまま増設できますか

事前準備の一部は稼働中でも進められますが、既存設備との接続や切り替えでは停電が必要になることがあります。生産への影響を抑えるため、休日や停止日に合わせて停電計画を立てます。